発達ゆっくりで言葉が遅い我が子への関わり方5つ 元特別支援教員が教える家庭でできること

発達ゆっくりで言葉が遅い我が子への関わり方5つ 家庭でできる発達支援

「2歳を過ぎたのに、まだ言葉が数個しか出ない」
そんな我が子を見て、夜になると検索の手が止まらなくなる。そんな経験はありませんか。

周りの子はもう二語文でおしゃべりしているのに、うちの子は反応も薄い気がする。
「発達ゆっくり」と言われても、じゃあ家で何をしてあげればいいのか、誰も具体的には教えてくれません。

申し遅れました。岡田あやのと申します。
元小学校の特別支援学級の教員として10年、そしてグレーゾーンと言われた娘(今は8歳)の母として、たくさんの「言葉の遅れ」と向き合ってきました。

正直に言うと、支援の専門家だったはずの私でさえ、我が子の発語がなかなか伸びなかった時期は焦って空回りしていました。
あの頃の私に伝えたいことを、今日はこの記事にまとめます。

この記事では、発達ゆっくりで言葉が遅いお子さんへの家庭での関わり方を、今日から試せる形で5つお伝えしますね。専門機関に行く前に、家でできることがちゃんとあるんです。

発達ゆっくりで言葉が遅いのは「個性のペース」かもしれません

発達ゆっくりで言葉が遅いのは個性のペースかもしれません

まず、いちばんお伝えしたいこと。
言葉が遅いこと自体は、決してお子さんがダメなわけでも、お母さんの育て方が悪いわけでもありません。

言葉が出る時期には大きな個人差がある

子どもが初めての単語を話す時期は、本当に幅があります。
1歳前後で話し始める子もいれば、2歳を過ぎてからぐっと言葉が増える子もいたりするくらい、個人差が大きいんです。

特に男の子は、女の子より言葉がゆっくりめに出る傾向があると言われています。
「周りの子はもう話しているのに」と比べてしまう気持ちはよく分かります。でも、その比較が一番お母さんを苦しめてしまうんですね。

私が支援の現場で見てきた子どもたちも、言葉のスタートが遅かった子が、あるときを境に一気に話し出す場面を何度も見てきました。
発達ゆっくりというのは「伸びない」のではなく、「この子のペースで進んでいる」ということなんです。

ポイント

言葉が遅い=発達障害、と決めつける必要はありません。まずは「この子はこの子のペースで言葉をためている時期」と捉えるところから始めましょう。

「ためている時期」を見守るという視点

言葉が出る前の子どもは、頭の中にたくさんの言葉を「ためている」状態だったりします。
外に出てくる言葉は少なくても、こちらの言っていることはちゃんと理解している、というケースは本当に多いんです。

たとえば「くつ持ってきて」で正しい靴を持ってくる。
「ねんねしよう」で布団に向かう。
こうした反応があるなら、言葉を受け取る力(理解の力)はしっかり育っている証拠です。

発語は、この「ためた言葉」がコップからあふれるように出てくるもの。
だからこそ、焦って言わせようとするより、たっぷり言葉を注いであげることが大切なんですね。

もし「言葉だけでなく全体的にゆっくりかも」と感じる場合は、グレーゾーンの子供に見られる特徴と診断前に家でできることもあわせて読んでみてくださいね。

言葉が遅い子への関わり方 今日からできる5つのコツ

言葉が遅い子への関わり方 今日からできる5つのコツ

ここからは具体的な関わり方です。
どれも特別な道具はいりません。いつもの暮らしの中で、ほんの少し意識を変えるだけでできることばかりです。

1. 実況中継のように言葉を浴びせる

いちばん効果を感じやすいのが、この「実況中継」です。
子どもがしていること・見ているものを、お母さんがそのまま言葉にしてあげるんです。

「コップ持ったね」「お水、ごくごく」「ボール、ころころ転がったね」
こんなふうに、目の前の出来事を短い言葉で添えていく。
これだけで、子どもの中に「この場面はこの言葉」という結びつきがたまっていきます。

ポイントは、短く・ゆっくり・くり返すこと
長い文章よりも、2〜3語の短いフレーズのほうが子どもの耳に届きやすいんですね。

2. 言わせようとせず「待つ」

つい「これは? 言ってごらん」と言わせたくなりますが、これは逆効果になりがちです。

✕ NGな例

「これなあに? ワ・ン・ワ・ンでしょ? 言ってみて」と何度も言わせようとする。子どもはプレッシャーを感じて、ますます口を閉ざしてしまうことも。

◎ 正しい例

「わんわんいたね」とお母さんが先に言って、子どもが言いたそうにしたら数秒待つ。出てこなくても「そうだね、わんわんだね」と受け止める。

言葉は、安心できる関係の中で自然にあふれてくるものです。
「言えたら正解、言えなかったら失敗」ではなく、やりとりそのものを楽しむ。それが結果的に発語を早めてくれたりするんです。

3. 子どもの「指さし」に全力で応える

言葉が出る前の子どもは、指さしで「あれ見て」「あれちょうだい」を伝えようとします。
この指さしは、言葉の前段階のとても大切なサインなんです。

子どもが何かを指さしたら、すかさず「ブーブーだね、大きいね」と言葉を返す。
子どもの「伝えたい」という気持ちに、お母さんがちゃんと反応してくれる。
この成功体験のくり返しが、「伝えるって楽しい」という感覚を育てていきます。

遊びを通して言葉のやりとりを増やしたい方は、発達ゆっくりな子の療育、家でできる遊び5つも参考にしてみてくださいね。

4. 「やりとり遊び」で言葉のキャッチボールを練習する

言葉そのものより先に、「やりとりの楽しさ」を体に覚えてもらうのも効果的です。

たとえば「ちょうだい」「どうぞ」のおもちゃの受け渡し。
いないいないばあ。
順番にボールを転がすあそび。
こうした交互にやりとりする遊びは、会話のキャッチボールの土台になります。

会話が続きにくいお子さんの場合、いきなり言葉のキャッチボールを求めるより、まずモノや動作のやりとりから始めるとスムーズだったりします。
「言葉のラリー」の前に「動作のラリー」、という順番ですね。

5. テレビ・動画より「生身のやりとり」を増やす

動画は便利ですが、言葉を育てるという意味では、画面からの一方通行の言葉はなかなか身につきにくいと言われています。

子どもの言葉は、自分の働きかけに相手が反応してくれるというやりとりの中で育ちます。
画面はこちらの「あー」「うー」に応えてはくれません。

もちろん、動画を一切ダメにする必要はありません。
ただ、1日のうち少しでも「お母さんと顔を合わせて、声を掛け合う時間」を意識して増やすこと。
それだけで、言葉が育つ土壌がぐんと豊かになります。

言葉が遅い子への関わり方5つ
  1. 実況中継のように短い言葉を浴びせる
  2. 言わせようとせず、安心して待つ
  3. 指さしに全力で応えて「伝わる喜び」を育てる
  4. やりとり遊びで会話の土台をつくる
  5. 画面より生身のやりとりの時間を増やす

やってはいけない関わり方 焦りからくるNG行動

やってはいけない関わり方 焦りからくるNG行動

良かれと思ってやっていることが、実は子どもの言葉にブレーキをかけてしまうこともあります。
私自身もやってしまった失敗なので、正直にお伝えしますね。

「言えるまで先に進ませない」は逆効果

「ジュースって言えたらあげるよ」
娘が2歳の頃、私はこれをやってしまっていました。
言葉を引き出したい一心だったのですが、娘は要求を通せず泣くばかり。やりとりはどんどんギスギスしていきました。

言葉を「交換条件」にすると、子どもは話すことを楽しめなくなってしまいます。
欲しいものを指さしたら、まず「ジュースね、どうぞ」と渡してあげる。そのうえで言葉を添える。
この順番のほうが、結果的に言葉は伸びていくんです。

他の子と比べて落ち込む姿を見せない

子どもは、お母さんの表情や声のトーンにとても敏感です。
「あの子はもう話せるのに」とため息をつく姿は、言葉以上に子どもに伝わってしまったりします。

10人いれば10通りの発達のペースがあります。
(正確には、もっとバラバラです)
比べる相手は、よその子ではなく「昨日のこの子」。それだけで、見える景色がずいぶん変わってきますよ。

豆知識

言葉が遅い時期に大切なのは「正しく言わせること」より「やりとりが楽しいと感じてもらうこと」。楽しさが、次の一言を引き出すエンジンになります。

こんな時は専門機関に相談を 見極めのサイン

こんな時は専門機関に相談を 見極めのサイン

家庭でできることはたくさんありますが、ひとりで抱え込む必要はありません。
「専門家の手を借りたほうがいいかも」というサインもお伝えしておきますね。

相談を考えたいサイン

以下のような様子が続く場合は、一度専門機関に相談してみると安心です。

・名前を呼んでも振り向きにくい、目が合いにくい
・「ちょうだい」「ねんね」などの簡単な言葉の理解も難しそう
・指さしや身ぶりでの伝え合いもほとんど見られない
・1歳半・3歳児健診などで指摘があった

これらは「すぐ何か問題がある」という意味ではありません。
ただ、早めに相談することで、お子さんに合った関わり方のヒントがもらえることが多いんです。
相談先は、お住まいの市区町村の子育て支援センターや保健センター、発達外来などが入り口になります。

「様子見」と言われて不安なときは

健診で「もう少し様子を見ましょう」と言われると、「ただ待つだけでいいの?」と不安になりますよね。
そんなときは、待っている間こそ家庭での関わりを大切にする時間にしてあげてください。

療育の順番待ちで何もできずに焦ってしまう方は、グレーゾーンで療育が1年待ちのとき待機中に家でできることも読んでみてください。待つ時間を、関わりを深める時間に変えるヒントをまとめています。

日々の声かけの工夫については、グレーゾーンの子への声かけ5つのコツでさらに詳しくお伝えしていますので、こちらもあわせてどうぞ。

まとめ 発達ゆっくりな我が子のペースを信じて

まとめ 発達ゆっくりな我が子のペースを信じて

言葉が遅いと、どうしても「この子は大丈夫かな」と不安が押し寄せますよね。
でも、発達ゆっくりは「遅れ」ではなく、その子だけの「ペース」です。

今日からできる関わり方を、もう一度おさらいしておきますね。

この記事のまとめ
  1. 言葉が遅いのは個人差。今は言葉をためている時期かもしれない
  2. 実況中継で短い言葉をたっぷり浴びせる
  3. 言わせようとせず、指さしややりとり遊びで「伝わる喜び」を育てる
  4. 交換条件や他児との比較はそっと手放す
  5. 気になるサインが続くときは、早めに専門機関へ相談を

専門家だった私も、我が子の前では何度も失敗しました。
それでも、娘のペースを信じて関わり続けた時間は、決して無駄ではありませんでした。

あなたの「待ってあげたい」というその気持ちが、きっとお子さんの「はじめての一言」を引き出してくれます。
焦らなくて大丈夫。この子のペースで、ゆっくり、いっしょに。
そんなあなたとお子さんのそばに、この記事が寄り添えますように。

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